2013.06.28 Fri – 07.28 Sun

「好きで描いてるわけじゃないけん」天才おじさん、TAGAMI展 第一弾

TAGAMI exhibition The first phase

2013.06.28 Fri – 07.28 Sun
Open Everyday
Mon – Sat 14:00 – 21:00
Sun 12:00 – 18:00
¥ 500(with a drink)

名画に感動したわけではない。何にも興味がなかった男が、三十歳で描き始めたら止まらなくなった。下書きなし、塗り直しなし、1日4枚のリズムで三十余年。呼吸しているようにTAGAMIは絵を描く。描かずにはいられない。

Event

6/28(金)終日 Entrance Free!
19:00~21:00 レセプション・パーティ

7/4(木)20:00 1,000円(ドリンク付)
ギャラリートーク ゲスト:都築響一

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■出会い 2003年
TAGAMIこと田上允克(たがみまさかつ)の絵を初めて見たのは2003年、カラーコピーの紙の上だっだ。私のパートナー、ピエール・バルーがヤヒロトモヒロの誘いで九州のコンサートツアーをしている時、博多の画廊香月でライブをすることがあった。壁にある絵が面白いね。というと画廊のスタッフがカラーコピーをくれた、という。
見た瞬間、「これはなに?この人はタダ者ではない、絶対本物の作品を見なくては。」と画廊に連絡をとった。ところが、このTAGAMIというアーチストは謎の人物で、なかなか作品を見せてくれない。当時、京都の寺守をしていて、実家の山口に絵があるそうで、なかなか実家には戻らない、とかなんとか。やっと山口に行けたのが1年半後の2005年6月。

■発見 2005年
古い農家の納屋から次々出てくる作品はどれも目を見張る素晴らしいものだった。大小4軒の納屋にぎっしり積み込めれた作品、プラス家の中の押し入れに入った版画たち。少なくとも3万点の作品が眠っていた。私はコレクター的な収集癖はないが、アーチストへの最大なリスペクトとして作品を買いたい、とギャラリーを通じて申し入れたところ、本人は苦笑いして「私の絵は今まで誰も欲しいと言わんかったからね~」と言葉を濁す。首を振りながら「私の絵なんぞ買わん方がいいですよ」と、何と消極的な発言。売りたくないのか、と言えばそうでもないという。
ギャラリー香月の森田氏に説得を頼んで、なんとか、やっと買えたのがそれから数ヶ月後だった。

■絵なんて見たこともなかったし、好きでもなかった
山口県の大学を出てから、本人いわく、何にも興味がわかなかった。働くこともなしにぶらぶらしていて、30歳になった時に父親に「近所にみっともないから出て行け」といわれ東京に出て新聞配達の仕事をはじめる。そして2日目に絵画塾にふらりと入って、絵を描いてみたら面白くてやめられなくなった。という。父に頼みこんで、「一生かけてやることが見つかった、ただしお金にはならんと思うから養ってくれ。」と頼んだら、父親が死んだらどうするか、と言われ自分も死にます。と答え、納得してもらった。という。
アルバイト2日間以外、いわゆる仕事はしたことがない。ひたすら絵を描いている。ただ線を引き色を塗るのが面白くて、イメージがどんどん湧いてきて自分を追いかけてくるようになった。下描きもしなければ、塗り直しもない、描き終わったときに、筆は自然と止まるそうだ。そうやって一日3枚から7枚描いて30年以上たつ。

■アツコバルーでの展示
今回は手始めとして、最近彼が創作している紙にアクリルと油、またコラージュといったミックスメディアを展示する。
顔景色シリーズとよんでいるのだが、カレンダーの景色の上に顔を描いた。まるで頭の中にサンゴ礁のあるような、額に紅葉の森のあるような不思議な顔の人間たちがそろった。
もう一つのシリーズは名画シリーズとでも呼ぶべきか、オークション会社、クリスティーズのカタログにあるカンディンスキーやポロック、アンディウォーホル、サイ・トンブリーなどの名画をコラージュした作品。「良くしてあげました」とTAGAMI。(彼のユーモアのセンスもなかなか。)
それぞれ、もとの絵は誰の作品か?と思いを馳せるのも面白いし、TAGAMIワールドに変えられてしまった名画の姿に絵画の自由さ、というか「なんだっていいんだよ。」「誰だって描けるんですから」といつも彼が言うような個人を解放する道具としての絵画をそこに見ることができる。岡本太郎も「今日の芸術」の中で言っている。「芸術なんて誰にだってできる。自由だから。でも自由が一番難しい」(うろ覚えで申し訳ないが。) TAGAMI の絵を見てほしい、まずその気持ちよさを感じてほしい。