2013.09.11 Wed – 10.06 Sun

「シェアリング・バイブス|共振する場、そして私」展
Artists:Maki UEDA/新津保建秀/山川冬樹
Curator:四方幸子

SHARING VIBES exhibition
Artists:  Maki UEDA / Kenshu SHINTSUBO / Fuyuki YAMAKAWA
Curator: Yukiko Shikata 
★”Sharing Vibes” exhibition extended to October 6 (Sun) !!

2013.09.11 Wed – 10.06 Sun 
★好評につき1週間会期延長が決まりました。 10/6(日)まで! 

Wed-Sun 14:00 – 21:00
Mon 12:00 – 18:00
closed on Tue *The last day (Oct. 6): 12:00-18:00 
¥ 500(with a drink)

空気、光、音、振動‥見えないものや知覚しにくいものも含め、空間にはさまざまな情報が溢れています。この展覧会は、アツコバルー(ATSUKOBAROUH)の空間を開かれたエネルギーの交差点と見なし、さまざまな情報がダイナミックに関係することで生まれる新たな胎動(バイブス)を体感いただくことを試みるものです。
空間は、音、匂い、映像などメディアは異なるものの、物理的に空気を媒介するものやエフェメラルで繊細な現象をとらえた作品やインスタレーションで構成されます。訪れた人々は、各作品を体験するだけでなく、見えるものにとどまらない現象—-空間全体で作品相互が物理的・音響的・意味的に関係しつづける—-のただ中に、その一部として身を置くことになります。ともに「バイブス」を「シェア」することでその変動に能動的に関わること、それによって展覧会は「生きた」ものとして浮上しはじめることでしょう。

アーティスト:Maki UEDA/新津保建秀/山川冬樹
キュレーター:四方幸子

Maki UEDA
uedaN.jpg1974年東京生まれ。1999年慶応大学SFC大学院卒業。2002年よりオランダに移住。「匂いのアート」の第一人者としてオランダ王立美術学校&音楽院やロッテルダムのウィレム・デ・コーニングアカデミーにて教鞭をとる。数少ない匂いのアーティストの中でも、匂いを「情報」とみなす独特の視点をもち、インスタレーション、ワークショップ、ダンサーや建築家など他分野とのコラボレーションを積極的に手がける。http://ueda.nl/

新津保建秀(Kenshu SHINTSUBO)
shintubo-N.jpgのサムネイル画像1968年東京生まれ。写真家。写真、映像、フィールドレコーディングによる制作を行なう。 近年の活動に《Namie0420》(雑誌『思想地図β』と渋谷慶一郎との共同映像作品、2011)、2012年4月に角川書店より『\風景』刊行、同年個展「\風景+」開催(代官山ヒルサイド・フォーラム)、2013年『思想地図β4-1』の取材でチェルノブイリを撮影。 http://kenshu-shintsubo.com/

山川冬樹(Fuyuki YAMAKAWA)
yamakawaN.jpg1973年ロンドン生まれ、横浜市在住。音を介した世界と身体の関わりを探求しながら、音楽、美術、舞台芸術の分野で活動。心音など身体内部で起きている微細な活動や物理現象をテクノロジーによって拡張するパフォーマンスで、これまでに15カ国で公演を行う。展示形式の作品にはサウンド・インスタレーション「The Voice-over(2008)」などがあり、同作品は東京都現代美術館にコレクションされている。

Event

9/11(水)終日エントランスフリー
19:00~21:00 レセプション・パーティ

9/14(土)17:00~19:00
Maki UEDAワークショップ
「犬のように空間を探る〜嗅覚と空間認識〜」vol.2

人間の鼻には意味なくふたつの穴があるわけではありません。右に左に移動しながらクンクンすると、意外に空間内の「匂いのモト」を探知することができるんです。このWSではこのような「嗅覚のステレオ体験」をしていただきます。
*香水はつけてこないで下さいね!
*満腹の状態でのご参加はご遠慮ください。(嗅覚が働きません)
15名限定 ¥1,500/メールにて要予約:ab@l-amusee.com

9/21(土)17:00~19:00
トーク:山川冬樹+港千尋(写真家)¥1,000 当日受付

港千尋:写真家。多摩美術大学教授。1960年神奈川県生まれ。1984年 早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、ガセイ南米研修基金を受け南米各国に長期滞。1985年よりパリを拠点に写真家・文筆家として活動開始。オックスフォード大学ウォルフソン・カレッジ研究員(2002)、第52回ベネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー(2007)。主な受賞歴に『コニカプラザ奨励賞』『マルチメディア・グランプリ』『サントリー学芸賞』『伊奈信男賞』など。

9/28(土)17:00~19:00
トーク:新津保建秀+瀬田なつき(映画監督)¥1,000 当日受付

瀬田なつき:映画監督。1979年大阪府生まれ。東京芸術大学大学院映像研究科映画専攻修了。主な作品に『彼方からの手紙』(2008)、『あとのまつり』(2009)、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(2011)、『5windows』(2011-12)など。その他、携帯電話やweb などで展開していくドラマや、連続ドラマ「ヴァンパイア・ヘヴン」(テレビ東京)の演出も手がけている。

9月28日(土)15:00 9月29日(日)15:00 / 18:00
山川冬樹「渋谷ウォーター・ウィッチング・ツアー」

作品解説約30分+ツアー約45分
参加費無料ですが、ギャラリー入場に¥ 500(1drink付)かかります。
*ツアーは人数制限あり

渋谷には泉があり川が流れている。しかし東京オリンピックの時に生活排水で汚れてしまった川は地下に埋められた。その上にセンター街や宇田川遊歩道ができた。山川冬樹は渋谷の地下水脈をたどり100カ所のマンホールから聞こえてくるせせらぎの音を採取した。深夜街で寝そべりマンホールに耳を当てると様々な水の音が聞こえる。ホーミーで鍛えた山川の耳には音階が聞こえてくるという。聞いているうちに渋谷がだんだん好きになったという。都市をインフラから診察する。山川冬樹とマンフォールを聞く渋谷ツアー。

9月29日(日)19:00-21:00 インターミッション・パーティ
出展作家の山川冬樹さん、本展キュレーター四方幸子、アツコ・バルー、スタッフともどもお待ちしています。
通常入場 ¥500 (1drink付)+cash on delivery


from Curator

「シェアリング・バイブス」展に寄せて

I. 渋谷、クロスロード、アツコバルー

アツコバルーが入るこの建物は、「クロスロードビル」という。前の交差点をはさんでBunkamura、道玄坂そして円山町を見下ろしながら背後に閑静な住宅街をもつ、渋谷の異なる地域の結び目的存在である。それは「十字路」そして「人生の岐路」というビル名からも明らかだろう。ファサード全面の斜めストライプの窓が特徴的なこのビルが生まれたのは、Bunkamuraオープン8年前の1981年。設計者はここにあった角のたばこ屋の女性の息子だという。かつてBunkamuraの地には小学校があり、彼女はさまざまな家庭から通学する子たちを日々見届けていた。近い過去にあったこと、それ以前にかつてあったこと、そしてこれから起こりうること…。場所は過去、現在、未来へと記憶をつむいでいく。見ることができなくても、私たちは想像力を頼りにいつでもその場に時を超えて飛び込むことができる。

さまざまな人やモノ、情報が集まり活気あふれる街・渋谷。特異な磁場をもつようにさえ思われるこの地だが、理由のひとつに水をめぐる自然・人工的な地勢があるのではないだろうか。道玄坂と宮益坂にはさまれた底辺に位置する渋谷駅。傍にある渋谷川(暗渠)は、代々木八幡辺りに発する河骨川(唱歌「春の小川」のモデル)〜宇田川と、新宿御苑辺りを源流とするに隠田川に由来する。都市化によって制御され、不可視化の領域へ押しやられながらも、渋谷では水をめぐる記憶やゴーストに否応なしに突き当たる。

渋谷、クロスロード、そしてアツコバルー。この展覧会は、これらの要素からおのずと、そして必然的なものとして発想された。

II. 不可視の情報を知覚し、共振していくこと

「シェアリング・バイブス」は、私たちがふだん感じることができない、もしくは気にとめない不可視で非物質的なさまざまな情報ー匂い、水脈、流れなどーを想起しはじめることから、世界を新たに発見する場として差し出される。

アツコバルーは、斜めの窓や可動壁をもつことで、自分の知覚や身体の歪みなのか、空間の歪みなのか曖昧になる空間特質をもっている。加えて天候や喧噪など、外からのさまざまな情報の流入が、作品や空間に干渉しつづける。ひとときも同じものとしてとどまらない場。そこでは自らも、世界の一部でありながら刻々変わる情報そのものとなる。

そのような場に、山川冬樹、上田麻希、新津保建秀がそれぞれ音、匂い、映像による発信を試みる。いずれも作品を、個々のメディアや意味に閉じ込めるのではなく、潜在的な情報と見なすことで、私たち自身が知覚や思考を開いていくことをうながすものである。

山川は、渋谷の地下水脈を可聴・可視化する新作を披露する。本作のために彼が行ったリサーチは、渋谷の水脈を実際に街に出て感じるためのマップとしても提供される。複数の匂いで構成された上田による「迷路」は、自由に巡ることで各人が能動的に嗅覚と向き合う場である。新津保の作品では、大気や木々を介して世界を循環する水の相が静謐かつヴィヴィッドにとらえられている。

作品同士が関係しあうこと。同じ場を共有する同士で感応しあうこと。空間、作品、人々が複合的に共振しはじめ、新たなバイブレーションが生まれること。私たちそれぞれが、作品、展覧会、空間そして世界の一部であることに気づくこと。「シェアリング・バイブス」は、終わらない。

われわれは空気や光の中と同様に音の中に投じられ、音の渦の中にいやおうなく巻き込まれている。われわれは背景に響いている物音を吸い込み、世界の奥のかすかな振動を毛孔や乳頭嘴のすべてによって吸収し、われわれの中に数(ノンブル)の熱い炎と舞踏として有機体の物音を自分たちの中に受け入れる。

かつて多はおそらく考えられてはいた。しかしそれが聞かれたことはなかったのだ。

ーミッシェル・セール『生成』(1981)

(四方幸子/本展キュレーター)

SHARING VIBES exhibition
Artists:  Maki UEDA / Kenshu SHINTSUBO / Fuyuki YAMAKAWA
Curator: Yukiko Shikata 

Sharing Vibes: As Part of a Resonating Place

The air, light, sounds, vibrations . . . Space is overflowing with different information, including those that remain invisible or imperceptible to us. This exhibition regards the space of ATSUKOBAROUH as an open intersection of diverse energies, and attempts to make visitors sense the new “vibes” that are generated through a dynamic interaction of varied information. 
The space is composed of works and installations of different media such as sounds, odors, photographs and others, which are physically mediated by air or capture ephemeral and subtle phenomena. Visitors will not only experience the work as such, but will also become part of phenomena that go beyond the visual, with the space as a whole becoming a locus of physical, acoustic and semantic interaction between the works. “Sharing” the “vibes” to become actively engaged in the flux will allow the exhibition to emerge as a “living” entity.

〈PROFILE〉

Maki UEDA: 
Born 1974 in Tokyo. Graduated from Keio University SFC in 1999. Based in the Netherlands since 2002. Among the limited number of olfactory artists, she presents a unique standpoint of regarding odors as information, and has been actively showing works in the form of installations and workshops, engaging in collaborative projects with other fields such as dance and architecture. She also teaches on “olfactory art” at the Royal Academy of Art and the Royal Conservatory, as well as the William de Kooning Academy. http://ueda.nl/

Kenshu SHINTSUBO:
Born 1968 in Tokyo. Produces works using photography, video and field recordings. Recent activities include Rugged TimeScape (2010, produced in collaboration with complex systems theorist Takashi Ikegami), the book \landscape(2012, Kadogawa Shoten Publishing) and related solo exhibition \landscape+ (2012, Daikanyama Hillside Forum), and photographing Chernobyl for Shisouchizu beta vol. 4-1 (2013, Genron). http://kenshu-shintsubo.com/

Fuyuki YAMAKAWA: 
Born 1973 in London, based in Yokohama. He works in the fields of music, art and performing art exploring the relationship between the world and the body mediated by sounds. Performed in 15 countries, presenting works that technologically augment subtle activities and physical phenomena inside the body such as heartbeats. The installation The Voice-over (2008) is part of the permanent collection of the Museum of Contemporary Art Tokyo.